e2047
2019年12月26日木曜日
足の脛にぶつかる衣服の裾、血液が沸騰してわきあがってくる情感、屍の群れと右翼の街宣車、アタラシイ、偉くも鼻持ちならない、愚かな、参列者、きっとあなただって知っていたでしょう、あそこは何もかも呑みこむ大きな胃袋、指で得意げに刺してみても、すぐ膨張し、世界は瞬く間に壊れる、今すぐに荷物を整理して、大事なものだけ持って出かけましょう、銀行の通帳、戸籍謄本、身分証明書、印鑑、携帯電話、いやそんなものは要りませんよ、衣服だって下着だって、身に着けるものなんてなんにもいらないんだから、要るのはあなたが誇るべきもの、あなたがあなただと確認できるもの、学歴、家族、会社、いや要らないよそんなものは、顔です私が欲しいのはあなたの顔だけですよ、長い階段を下っていく、ああ、人人人、誰だか分かりはしないがきっと人なんだろうな、夢遊病者のように、吸い込まれる、地下街のさらに奥に、酸っぱい汗と唾液の臭いがして、あいつらは一握りの糞みたいだ、人間以下ですよ獣みたいに這いずりまわって、滅びました、島縞模様の四足の生き物は、砂利を食う、ガラスで口の中を切って、べとついたまま、果物を食う、虫歯なんか、治療痕がどこか間抜けでね、自分は醜いと思ってたんですが、ここに来れば何も関係ないですよ、皆一緒だから、ビニール袋が呼吸で膨らみ、萎む、反復運動を繰りかえす、心臓の動悸みたいだと凝視しながら思う、四方、壁に囲まれた展示物は、蟻の行列に蝕まれて、ボロボロの布切れみたいになる、お母さん、住所も電話番号も名前さえもすべて忘れてしまったよ、帰るに帰れない、軽く頷いて、遠くに行ってしまったよ、ミクロミクロまたミクロ、一生懸命布切れで磨いた綺麗だって満足する様に、marudeすべてがゆるやかに発狂していくみたいに、あの日、オフィス街、がやがやした喫茶店、店員のお姉さんの笑顔は、身体から熱を奪っていく、コーヒーを本当に少しづつ、使命的に、少しづつ、飲み干して、どうにか自分が自分であることを確認する、それは作業であるから、機械である、ふと腕の毛穴を見つめるとそれがまるで蜂の巣みたいに増殖していく、勘弁して下さい、もう何もかも差し上げたじゃないですか、マスクと眼疸で目を口元を覆い隠し、有利な立場であなたは話を進める、barabaraですよ、あなた自分が分からないのですか、かなりbaraけてますよ、毛穴の蜂の子は羽化して、とても耳障りだ、だから全然聞こえないんですよ、言ってることが分かりません、また人か、あいつは人なのだろうか、タイル張りのコンクリートを歩き、身体が全部隠れるくらいに奥まで行く、布団かけましょうか、ガタガタ震えてるじゃないですか、唇だって真っ青、「顔がない、もう全く顔がないかもしれない」、爪伸びてますよ、切りましょうか、爪切りいつも持ち歩いているんですよ、小さなポーチにいれて、線香の香りがするでしょ、お婆ちゃんに貰ったんです、顔がないのに爪を切る、衛生的にということか、まったくの狂気、また人か、そうか人か、髪の毛で全部顔が覆われているから分からないんだな、顔はないのに、ああ人人人うんざりだ、声が反響していく、ずっと前から見てたんですよ、歩道橋、靴墨を塗って、犬や猫みたいにマーキングしてたでしょ、知ってるんですよ、何でもかんでもお見通しです、鏡を持ってくるな、顔がない、もう顔がないというのに、透明なビーカーに蜂の子を入れて、沸騰させると、ゆっくりと夜が降りてくる、始まりだ、また一夜の始まりだ、あいつは大きな建物の屋上から見ている、時計は深夜2時を指して、鐘が鳴り響く、教科書持ってきましたかー、忘れては駄目だって言ったでしょう、机と椅子は家に持ち帰りましょう、お化けのせいで、洪水がきますから、無闇に開けないで下さい、お化けのせいで、足が変に曲がりますよ、なんもかんも、お化けのせいか、そうお化けのせいだ、唇を舐めてカサカサに乾燥した、植物に水をやる、種を噛み砕くと、コーヒーの味がする、待ち合わせをしていたっけ、オフィス街、ガヤガヤした喫茶店、本当に、少しづつ、飲み干して、そう作業であるから、機械である、顔がない、顔がないからきっと大丈夫だ、見つからないだろう、ゆるやかにすべては発狂していく
っとカラスの群れがなく、私はうつ伏せで白目を剝きながら助けを呼ぶ、ところは屍の群れ、うようよとへらへらと涎を垂らしながら、ガサガサコソコソ飛び立つのです、嗽をして直立不動で、鼻くそまみれのでかい顔だな、いっそ死んじまえと、宝石の角を指で擦って、丸みを帯びるまで一生懸命擦ってね、丸坊主の生霊が、手から飴細工を落とし、喉を鳴らして、噛み千切れと、甘くなるまで口に入れて、噛み砕けと、こう言うのです、宇宙回帰論、微生物の実態と分裂化して自在化する、哀愁の末路、顔面は原型を留めていない、泣き笑い愛しています、双子です、おめでとうございます、自堕落な片割れの双子です、サルハキカラオチナイ、鶴、つるっぱげの鶴、赤茶けた液体、帽子の中に入れて、マーブルチョコレートを噛み締めました、ポケットにあった30円で、いえ、とんでもございません、僕は分かってるのですよ、結末は建設途中の高層ビルのokujyouの煉瓦の下に置いてあります、黄色いメモです、知ってるでしょ、高度77543m天から下を見下ろして、脱走しようと誓ったじゃないですか、黒い影の男は耐え切れず飛び降りて死にましたよ、ええ、あなたがここにいること自体が可笑しいのです、どうです、下界は楽しいですか、どうです、思いつめた顔した女、男、老人ばかりでぶっ殺してやりたくなりますよ、私は気が長いほうなんですがね、ええ、どうにも我慢がならない、キチガイ、キチガイの群れに飛び込んだようなもんです、私の神経が正常なのが既に異常かもしれません、あの金属片は何ですか、空中でキラキラとまばゆく光って、惑わすのです、細い血管と神経が身体中に張り巡らされ、ブチッと、また、ブチッと、音を立てて切れる、その度に、腰がガクッと砕けそうになる、恐ろしい、動物たちは言いました、あの天の声を聞きお家に帰るのです、昼夜を問わず、一瞬目の前が真っ白になり、それが合図です、最初は気絶したのかと思いました、失明したのかとも思いました、でも違います、確かにそれは合図です、指の先からまず、薄い皮が復元し、爪がとんでもないスピードで生えてくる、そのあとはあっという間です、いや、痛みなんか全くないですよ、少しぎこちないですが、歩き始めると骨が軋むくらいですぐ慣れます、でも鏡を見ては駄目です、あの真っ白なアパートの4号室に住んでいた、地下鉄であった老婆に言われました、おいでおいでと皺くちゃな手で呼ぶもんですから、オッカナビックリですよ、恐る恐る耳たぶを触って、現実だと確認するのです、焦ることなんかまったくないですよ、もうすぐ、人人人人、人人人で溢れかえりますから、あなたの存在なんてそりゃあちっぽけなもんです、気にすることないですよ、誰が誰かも認識できない、自己アイデンティティー、って言うんですか、洒落た言葉で言えばね、そんなもの消滅します、慣れればなんてことはない、そう虫みたいに生きるのです、虫がどうだかなんて存じてませんがね、分かり易く言えば、虫みたいに・・・・・ね。
呼吸は正常化した、目は激しく充血しているが、はっきりと見える、長い階段を上り、また肩がぶつかった、ああ人、人人人、誰だか分かりはしないよ、本当に人なんだかも、ただあいつが言うのが本当ならば、soreha人なんだろう
呼吸は正常化した、目は激しく充血しているが、はっきりと見える、長い階段を上り、また肩がぶつかった、ああ人、人人人、誰だか分かりはしないよ、本当に人なんだかも、ただあいつが言うのが本当ならば、soreha人なんだろう
ざっくばらんに今までの経緯を話します、腕の中の溶けた血液を、凝縮したいきものみたいなもの、壊れそうででも温かい目の中の、実際周りのものを殺してしまう、じゃあ何故立っているのか、理由は無い、生まれ変わる運命もない、話したいときだってある、言葉がでてこないが背徳的な人間である、ぼくは、結局殺せやしないのだ、逆撫でする雨の跡の濡れた肌の質感みたいで、懲りずにまた呪う、明日晴れたら行きましょう、山頂の倒壊された丸太小屋、薄く皮を剥ぎ、暖をとる、蛙の群は音をたてずにやってきて貴方の身体を運びます、羊の群は蹄を立ててやってきて貴方の魂を運びます、激しい豪雨の後、世界は凍結から解放されます、生き生きとした目を見、恐れずに飛び込んでみるのです、列車の窓から見えるあいつらも向かっているのだろうか、気付けば一人だけ車内に取り残されて、酷い頭痛は治まる気配すらない、頭が左右に揺れて、色のフィルターが目の中に貼りつく、恐れの知らない私たちはただ苦痛のあまり足を切断し、感覚のないまま行進しているので目は朦朧としどこに向かっているのか知る由もありません、突然の落雷と地割れ、虫たちが一斉に飛び立つ、空に向かって垂直に、歪んで身体の自由がきかなくなってくる、充血する、石、ただの石みたいだ、まるでおかしいことだらけだ、背中の骨は沢山の蛆に食い尽くされて、老婆の曲がった腰みたいになる、この洞窟の中は憂慮に満ちている、まるで腐った動物の死骸みたいに、行き場がまるでない、砂漠の先は、草原の先は、森林の先は、宇宙の先は、からっぽなだけだ、オートメーション化された二足歩行の烏、「世界は崩壊に向かっている」崩壊に向かっている、崩壊に向かっている、崩壊に向かっている、皆さん白線の内側を歩いて下さい、汽笛のあとに血潮がふきあれます、烏の羽が群の行進を誘導させて、次々に轢かれていく、たくさんの指が宙を飛び交う、植物は葉を震わせてその様をせせら笑う、幻影ですよ、そんなことありゃあしませんって、水晶玉に映った、その光景をはるか数千年昔から見続けていたのだろう、車内は身体が丁度すっぽり嵌るくらいの円形に変わってしまい窒息しないのが不思議である、ただ交信だけは執り行われていて、映像が映ったり、機械的な音が聞こえたりはしたが特に応じなかった。
絶命から多元の奥地まで、笑って済まそうとする魂胆、背筋がピンと伸び、狂気的殺戮に及ぶまでの彼方、悪い意味での絶望、頭の端からアンテナが伸び、人道的道徳的に物事を運べない、虫をみなよ、あんた虫をみなよ、自由にしてるよ虫は、縛られた憶測から、手足はバラバラに噛み千切られる、黒いマントにフードに青白い顔、今にもう終わる、見ていなよ、もう今に終わる、機械的な、人、人、人は、互いが互いに、傷付き合い、パタッ、パタッと倒れていく、もう傍観は出来ない、犬が吠える、尻尾を握り、また、尻尾を握り、人、人、人は姿を完全に消すだろう、何処へ行くはずもない、魂は、風で揺れた風鈴の音みたく、静かに消える、全部持っていった、持っていきやがったよ、それは非常に災難なことであったかもしれません、瞬く間に姿を消しました、全くあっけなく、時間にすればほんの数秒程度だったことでしょう、次第にゆっくりと夜は降りてきて、自由は拘束から開放に向かっていきます、誰だ、誰なんだ、群れをつくっていく、小さな群れから、そして、大きな群れへ、天空から地上に降りてきて、そうです、予兆は数年前から起こりました、暗闇、から、科学へ、空間は捻られ、心臓の鼓動は極端に早くなった、分裂が始まった、日常に分裂は進入してきて、見るもの、見るものが主なる、善と悪の二元論ではなく、1人だったわが子は二人、1人だった我が妻は二人、苦悩は始まり、選べばまた二つに増えるので終わりはない、メスを入れて、心を切り開き、最後に自分は片腕だけになったが、意識も意思も残留し、また片腕だけの身体は微動だにしないが、精神は揺れ動く、聴覚も視覚もないが絶対感覚はある、ただ取り残され、二つになった、妻が、子が、電話が、ドアが、バスタブが、我が身が、取り囲まれるのであった、別世界の色事、血みどろの白衣、瞬きをする間に子は産まれ、世界は白く、産まれて2秒で自殺する、運悪く少年期、体感時間およそ48秒、これは列車事故の死体の黒子の数を数える時間と夢見た飛行男のプロペラ機の時間と同じである、さらに青年期は過酷を極める、登山とよく似ているが達成感とやらはまるでない、向こう側の世界は異様だが、簡素化されている、口を開ける、無数の小さな鳥たちが飛び立つ、その中の一羽だけが虹を見る、あとは力尽きて地面に平伏す、町、記憶にある中の唯一の町、時計塔でねじを巻く仕事をしていた、私だけが働いていて時間を進めるのが唯一の仕事で、後は何もなかった、退屈ではあったが現実だと思った、耳を塞ぐ、鮮明に聞こえる風の音、何もかも放り出し没頭する、気味の悪い踊りは、ただ、悲しさだけを伝えている、目に見える男、三輪車、すべてが子供たちの悪夢に起因する、水中に渦を発生させるみたいに、思考の奥底にゆっくりと堕ちていく、嘔吐をもよおす様な苦しさと恍惚感、その虚しさは40女の腹の弛みとよく似ている、潔白を証明しましょう、日の光を浴びて、死に物狂いで、頭の悪いウサギを飼う、88%は正しい、静かな補強手術、わめけども、わめけども、言葉はでてこない、シーツを破り、頭から被り、迷惑にならぬよう蹲っている、灰をかぶった飛行場、色をたしていくと現実感を帯び、裁判所のようになり、色をぬけば精神病院のようになる、なら消してしまえばいい凡て、逆から数えると、子のいない背の高い麒麟、正しく数えると、金槌で砕けた骨の音、揺り動かせ、波が派生するみたく、揺り動かせ、映画館で見た、ブルーフィルムの妊婦の子が欲しいという叫び声、雑居ビルの4Fのビジネスガールのアリス、精神年齢は52歳、容貌は14,5歳、迷惑をかけるなと言われど、迷惑をかけずには生きるまい、20歳を越えればただゴミ拾いをする様な毎日だ、マインドオブヒミコ、若さを保つ女の生贄、貝を叩いて割れば、小さな夢を持っている、か細い血管に注射針を刺して、あいつはもう虫の息だろう、苦境から三里離れれば、膝から下は親指だけで、語ることはなにもない、退化の過程で人間は大変な過ちを犯した、ものをつくるということ、世界をただ食い尽くしていればもう終わっていただろう、鋭利な刃物で傷つけて、鼻水も涙も血も道端の水たまりもさして変わらぬものとなり、正確にはただの毛むくじゃらの犬、人格はまた人格をつくりインチキ屋が多すぎて薄汚れた皮になる
暮れない夜、膝を抱えてただひたすら祈る、ゴミ箱から拾い上げた折れた指を数え、無臭の唾液、汗、が溢れ出し、天地が逆さまに投影された鏡を見つめる、90度でお辞儀をする左右対称の、人、人、人は、こねくりまわされた、パンの生地みたく艶やかで、まるで息をしていない、白目も黒目も判別出来ずに、呆然と立ち尽くしている、傍に転がっている無数の人型は皮膚病患者か、竜皮病患者か、電話線を少しづつ繋いでいく、よりクリアに声は聞こえてきて、只ことではないことが分かる、地下街を歩いていく、整然としただだっ広いこの空間は、白い靄を発生させ包まれていく、途端に息が苦しくなる、胎内にいた頃孤独だった、純粋だった、それはそれで何にも捉われることはなく、ただ鼓動と脈拍だけを感じ、暖かさはこの上ない喜びだった、今この地上から除去されつつある、人、人、人は、脳裏にそのことすら過ることなく、苦しさからの解放を求め、物体、他者を認識することなく、漂っている、脳みそに刺された針の数々は、五感を消し去り、満足不満足所有願望欲求すら何も見出さない、無用の物体であることすらも気付かない、転生した魂は、また生き永らえることを求めることになる、永遠の産物ではないのにも係わらず、空を灰色の雲が覆い尽くし、豪雨が襲ってくる、土や木の葉や海面、アスファルト、を跳ね返し、空気中に漂う、やがてそれらは苔を宿し、胞子が飛び交い、どす黒い緑に覆われる、光の渦の洪水、生命線地上線水脈線、儚い運命だけを辿っていく、消え入りそうな声の数々、子供たちのゆりかご、どうして、ただ、どうしてと微かに漏らす、崖から飛び降りて浮かぶ水死体、腐敗し風船のように膨らむ、割れる音、地響きは世界の凍結と始まりを同時に伝える、螺旋状の階段を登っていく、何に生まれ変わるだろう、身体は痺れるように固まり、内在した心の奥地から、語りかける、最悪の地上の住処、気持ち悪いくらいの無数の手足の数々はライトアップされ不規則な動きを行っている、サイレンが鳴ると止まり食事の時間になる、手足は一斉にそこらを這いずり回り、養分を摂取しようとする、日の光はないから青白い、指が盲目的に欲し掴みかけ、細い血管を発掘する、その繰り返しだ、頭皮が爛れ、毛髪が半分抜け落ちた女は、ただ必死に忘れようと目的もなく街中を歩く、やがて頭上を見上げたとき、いるのは神ではなく昔の男だった、現実は何処からともなく襲いかかってくる、消えよう、このまま消えてしまおう、笑顔は私にとって恐怖でしかない、身震いしながら膝を抱えただ待つだけだ、何も考えまい、コルクを親指で空け飛び交う乾杯の声、ひきつりながら話しに耳を傾ける仕草をし、夜が明けるのをただ待つ、トイレに篭り耳を塞ぎ過ぎるのを待つ、私を掻き立てる、存在がどうしようもなく卑屈にさせる、壁にベトベトに貼りついた羽は、この不甲斐なさを象徴している、溶け込むのは夢でしかない、双眼鏡を覗く、変化は所々で起こっている、有機的な地上の楽園に飛び込む、有益なことは何も起こらないだろう、煉瓦の壁上から透明な雫が落ち暗闇に溶ける、四足歩行の動物たち、身体は透きとおり色々な物が向こう側に見える、七色の光の渦が纏いやがて結晶化する、悲しみの結晶である一例には過ぎないが、奴隷たちが宙を見上げる、痩せこけた頬と褐色の肌、もう何も望むまい、もう何も届かない、手を伸ばせど見える空の妄想ばかりからっぽである、封を開けると一斉に飛び立つ白夜の蓮、シドロモドロで歩きながら深く手を突っ込み、汗は流れ落ち、手はどす黒く変色し、彼方に転生す、電線を辿っていく、やがて捩れた線と線は重なり合い響き、同時多発的に電力を発する、鋼の硬さ、もう幾ら嘆いても戻ることは出来ない、ただここにいる為に、頭は膠着し、羽音が聞こえ、やがて意識は遠のいていくだろう、教示する狂死、音が一音一音独立する優雅さ、まるで溶かした化け物の顔みたいに、火の粉が舞っている、そのひとつを掌に乗せそっと息を吹きかける、計画された火葬、目玉一つ一つが一点を見つめ世界の最期を物語っている、感覚はなくなり行事、圧制からの解放、人、人、人、は声を潜めて、御覧なさい、魂が舞っている、御覧なさい、円熟した果実のように膨れ上がる、命の夢遊、軽蔑し高い塔の上で祈りを捧げる、裂け目から、割れ目から、唐突に漏れてくる、得体の知れないガス、毛細血管を破裂させ、息苦しくお辞儀をしながら日々を呪う、どうにも出来ない数々の事態、予兆、街を歩けば鏡は次々に割れる、駅の公衆トイレの鏡、自宅のバスルームの鏡、ゴミ捨て場に遺棄された鏡台ですらも、自分の爪を見る、どよめきと静けさは調和し、縦にひび割れる、思えば随分と悲しいことが起こったものだ、騒ぎを聞きつけ、縄で括られる、唇は切れ数々の言葉は蝕まれていく、女、男、地上、星雲、宇宙、クレーター、詠歌、腐っていく次々と腐っていく、キャンドルを片手に持ちながら、危ぶまれる不測の事態、汗は浄化し、利潤の追求は神のみぞ知る、儚い墜落の想い、潔白の年月、終ぞ私は浮かばれることはなかった、出稼ぎの労働力支援斡旋、大陸を二つに割ろう、粉塵が飛び散る浮遊力、目は黄色い、人、人、人、軽々とあしらう、疫病、顔面が覆われるほどのマスクを身につけ、節々にガードのサインを出す、灰色だった、歩行速度はスローモーションに、一枚、一枚が独立した写真みたいに、止まっている、会話を始めようものなら嘲笑どころか、聞き耳をたてることなく、静かに終末を迎える、それは悲しいことであるか比較対象が想起出来ないのであるから永久不明の謎である、全く苦にせず物を払い除ける様に、命をひとつずつ消していく単純明瞭な、作業、人、人、人、の願望、情熱、愚かさ、過去は一掃する、思い出せば哀れみの目で追われることになる、蒼白した氷河期、瓦礫の下で闊歩する人、人、人、賢明に脈を数える、一定のリズムで悪魔を巡回させる、サラバサラバ、どうして皺くちゃの笑顔で自分を卑下してしまうことだろう、それは正しく言うなら自己存在証明、分子と分母の教示から、お辞儀の角度、果ては線香のあげ方まで凡ては儀礼化されている、生き易いと同時に柵に囲まれた家畜と同等かまたはそれ以下、無能のレッテルはあらゆる角度から襲ってくる、幸いキチガイじみた奴隷制度により考えることは放棄される、ヨレヨレの化け物ばかりだ、蝉の抜け殻粉々に砕けていく、気鋭な愚か者、食物を食す、カイワレ大根に虫が湧く、四次元鏡に囲まれた私はふと思慮に耽り鑑みる、過去の化け物を鑑みる、青い浮遊したタイルの階段を登っていき、真っ白な人型の模型に出会う、足首の間接が鈍く鳴り、地下の水脈を辿り、飢えた魚の餌になる、殺してみるか老婆よ、血は滑るのだ、本当によく滑るのだ、全然不思議なんかじゃありませんよ、よく見て御覧なさい、泥で汚れた手足で溢れかえっている、貴方だって例外じゃございません、節目がちに歩けば必ず災難に遭います、杞憂じゃないですよ、ポケットの中のコールタール、毛細、自動注射器、吸い上げ抹殺される、血痕が飛んだ赤い影、駆逐される者と蹂躙する者、中間地点はほぼ存在しない、荒れくれた砂漠のように無機質で期待させる美意識、決着の時は近い、鑢で擦り磨きをかける生命、人、人、人、は口を半開きに開けて片輪者のように穏やかで、毒々しさは微塵も感じない、水槽の表面に張付いた海洋生物、優雅に個々を尊重している、触覚は伸び、あらゆる物事を蹂躙する予感、山林の腐葉土は産む、奇特な新たなるものを、培養して取り返しはつく筈もないだろう、どれだけの恐怖であったことだろうか、規則は境目と境目を明確に位置づけ自由を奪う、その狭まった枠の中でどう価値を見出していくかだ、あるはずもないものを、どうして生まれては死ぬのが定義されているのだろう、何故死を意識するのだろう、同時に生を意識する瞬間は余りに少ない、呪われた地上の圧縮物、動作も呼吸も、あからさまに否定される、天からの叫びにより一蹴され声さえ喉に届かない、私は宇宙にあるべきものを持ち帰ることで禁じての錬金術に酷似した、金星の汚染濃度、浄土水流、哀しきことに小石ほどの軽さで労働と言う意思はまるでない、冷めている人形の星月を、相似の如き数学的論拠、星を掴んで円を描く、もう誰にも届かない黄金色の夜、どうせなら帰りたいと哀願すべきであった、虚栄心から卑屈になれなかった
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