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photo by yokna patofa
「人間は不在である、そしてしかし、その時、風景の中にすべてがある」(セザンヌ)
最初にあの地を見たとき、その指し示した先に何があったのかは朧げでおまけに日も暮れようとしていた、土流の雪崩と、砂と海水、コンクリートと粉塵、あらゆる現実態は「波」に呑込まれ可能態へと一瞬にして変貌し、それらを認めることは我々の足を失うことになるだろう。実際に歩き回れば回る程、機能性を剥がされたし、私たちも例外なくそこではただのアリストテレス的「マテリアル」として晒され、自身に錯乱が接近し、決して裏切ることのない秩序は、砂漠で息絶えた動物たちの骨のようにそこら一帯に散りばめられ、ある種の催眠状態すら巻き起こす。ここに立つことで、この崩壊の過程において、生はほんの一瞬においてさえも、決してそこから逃れさせてはくれないのだ。
太陽の熱によって溶けた不文律
あらゆる記号的、名の喪失
地べたに這いつくばり
その層を手探りで掘り、探求すると
すべての生命体は涎を流し
古代からすでに末世であった
「天災」ではなく「侵略」のようなものを体感したし
「侵略」であるとするならば
「侵略」したのは一体誰なのか?
開拓し、旗を建て、偶像で取り囲まれた
水没した微粒子が運びさっていくかのように
跳躍する光が消え去り
困惑しているあの子を見た。
あの子は土に塗れていた。
すべて洗い流された後のフィルムにあの子は写っていた。
笑みも浮かべていなかったし、無表情というわけでもなかった
ざわめき、喋り声、あらゆる声、を掻き消した顔がそこにあった。
沈黙は炸裂しながら飛びかかり
夜明けの兵士は突如として灰にした
消え去るべきとき
常規の脱した震撼が
絶えず生を窒息させてきたクズどもが
うようよと死体よりも図々しく踏み荒らし
死にぞこなった様々な細胞、破滅的空虚の最中
「出来事」は「侵略」となるのであるから
私は「侵略」を告発するものとしての
創造者として常にありたい。
これは「出来事」にヒルのように貪りついて離れない
糞ったれどもを発覚させるためである。
私はこの不純の「侵略」に対する激しい怒りによって
奴らをブルトーザーのようなもので一掃し、完全に口を密封することである。
「マテリアル」の形相が何であるか解明することは難しい、白い尾びれのようなアウラが地軸を解剖し、天体を覆い、 物体的即物価値、あのうっとりするような時間融解装置へと誘う、大きな未知の笑いに包まれた不自動律非居住地帯と変貌し、そこに召還されながら、息をしているか常に疑いながら
中心にあるあの崩壊を弄ぶようにと。随分と色んなところから奴らは、「生の場所」へと辿り着こうと、べらべらとくっちゃべりながら性懲りもなく土足で踏み入り、痰をまき散らしたもんだ!
私はアルトーの思考不能性を転用し、ある種の極限にある「生の場所」で、生は決して止められはしないのであるから、ある文法(それは特殊領域における、身振り、生の場所で行われる魔術的秘技である)を発明し、突き射す、表面的な記憶はただ邪魔なだけだ、この混沌は理性と非理性の狭間で、レトリックを並立の板に踏みならし、瓦礫の中で淫売を奴らに擦りつける。
すべてはたちどころに沸騰した鍋の中のように
パトスは世界の記憶を食らいつづけ
科学を髪を逆立てるように感覚的に反逆させ
地中も、天体的波動も、あらゆる存在も胃袋の中に
平均台の上で、踊っている木乃伊に
日が照り、腐敗していく過程を
奴らの目の中へと侵入させ暴れ回る
檻の中の腹が鳴り飢えた
私の創造の動物たちが
サーカスの観客席で
自由気ままに暴れまわるのを夢見る
絶えず産出し続ける社会の幻影により
常に窒息しているわけであり
これを塞き止めるのは照射のような
モーゼのような出来事を超越した瞬間しか
侵略は阻止出来ず(移住するところなど何処にもないのであるから)
かと言ってこの時代の麻痺への道程を
針の筵で眺めることしか術がないようにも思えるし
そんなことはとうの昔に気付いているのだ
あらゆる「出来事」に対する言説は八つ裂きにされ
白痴が見たものとして描かれた物語で溢れ
まったく直線的にレーザー光線のように光を捉えるものは
これは秩序の中にも無秩序の中にもなく
その間の亀裂に唯一見いだされ
声を失った時にゆっくりと発見するだろう
あの灼熱の午後の太陽がゴッホの手助けとなったように
その光景を触覚がフィルムへと浸透させ
未知の迷路の構造のなかで、そもそもあり得ない回り道をし
あらゆる「侵略」を渦の中へと放り投げて
洗濯機の中心のようにぐるぐると回り
降下し、混ざり合い、ばらばらになったフィルムが
水の奥深くでそのうち何者かの手によって発掘されればいいだろう
「いいえ、確かに、それは、崩壊以前からそこにあったものです。」
「そこで私は介入せずに、ずっと見ていた。」
コントロールしようと、手玉にとろうと思った瞬間に、出来事はメスを持って襲いかかってくるし、出来事は極限の「生の場所」でしか記憶され得ない。それ以外はすべて侵略にすぎない。その意味で騙され続けているわけだし、この出来事に対するあらゆる言説は全く何も信用するに値しない。
あらゆる「侵略」を奪還せねばならない!
それは目でみたもので為されるわけではなく、この裏側の取引にてのみ緩やかに動きだし、秘技において稼働させ、「生の場所」へと遊導し、目を瞑ったとしても、「出来事」はそこでは「出来事」としてあり続けるのだ!
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