2019年12月26日木曜日
眩い共犯者、漆黒の闇から姿を現し、錆びた銅像の前で壊れた傘を片手で高く上げ、踊る、血管が身震いする、低所得者の住む高層アパートからビールの空き缶が投げられる、太股はやわらに汗ばみ踵をさらに高く上げる、磁石に吸い寄せられる様に、人、人、人、は地上の番人を待ち望んだ、今すぐにでも壊れてしまいそうな神経で見守る、背凭れの椅子から悪魔が蠢き、呪いの言葉の数々を吐く、気味の悪い笛の音、羽根が捥げた蝶の群れ、ミシンで布を織る老婆たち、怪奇現象は波紋のように世界に向けて広がっていった、3頭身の子供はすべて片腕がなく半身が栄養失調で薄汚い発疹で包まれ生まれて即座に道路脇に捨てられた、飢えて仕事に炙れた工員たちはヤニで汚れた歯で道路脇から拾いお構いなしに鍋で煮て子供を食す、胃が爛れて嘔吐を繰り返す様になり、標準の80000倍のスピードで様々な寄生虫が発見された、もはや消滅は近いだろうとノイズだらけのテレビの中で科学者が、長年の衛生観念による妄想から、自ら身体に火をつける多くの自殺者たち、半分気を失いつつ腐った魚の骨をしゃぶり続ける青年たちの行進、虱だらけの義足の男同士による雑踏での喧嘩、毛髪の半分が抜け落ちた女たちは進んで身体を捧げ、知識のない子供たちは注射器で麻酔薬を過剰投与した、完全に麻痺している、世界中は大変なことになる、預言者たちは未来に救いを求め神の子の再来を噂し、身体能力の高いものたちは、脱走を試みたが半分は湖畔の上で溺死した、もう半分はあらゆる島々でそれぞれのコミューンを形成したが、殆どが梅毒に脳味噌を冒され、砂浜で手製の槍を持ち殺し合った、劣等遺伝子の蔓延、言語は言語の形をもはや保てず、明確な単純行動においてのみ通用する、食事、睡眠、性交、それだけ、知的階級の貧弱さは周知されている通り、即座に地上から排他された、君がいなくなったとき、私は幽閉された建物の便器の隙間から君に対する思い出を語った、食卓が懐かしい、長い髪が懐かしい、緑の芝が懐かしい、微笑が懐かしい、バスタブが懐かしい、手の温もりが懐かしい、道路工事の騒音さえ人ごみの鬱陶しさでさえ排気ガスの臭いさえも懐かしい、それらは消滅してしまった、我等が認識する人間が人間であるゆえの当たり前の生活など糞食らえと神は申すのだから
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