2019年12月26日木曜日

暴力は慣習を凌駕する、枯葉の山に佇む針金の人型たち、雑草を永遠に咀嚼するかの様に、意義、目的、なぞ知るわけもない、かたや半分になった唇は奇妙な苦い汁を吐き続ける、伝えるべき、何か何か何か、圧倒するべき暗い下部の地下室の漂うオーラから感じる何か、冴えない顔をした親に産み落とされ地下道で残飯を漁る混血児の眼差しから溢れる何か、クレオパトラの透き通った血管を凝視し、きっと君は、太陽の黒点を指差して熱を身体から奪われ、半分が狂気で構成され、もう半分は麻痺している、ライ病患者たちは瓦礫の山を漁り、磨耗した肉体を求め、子供たちは日陰でただ地面にうつ伏せになり時が過ぎるのを待つ、もうすぐすべてなくなってしまうだろうから、ある土地が、ある建物が、ある空間が、実際軽蔑していた節はある、偽善で塗り固められた教育に飽き飽きしていたし、運動などして無駄に疲れるのも馬鹿馬鹿しい、かといって表立って反抗するのではその存在を認めたことになってしまう、それ自体を意識から消してしまうことが最良の選択だった、子供たちは成長を放棄することで辛うじて自分たちのテリトリーを守っていたのだ、ピアノの音色の様なか細い声が辺りに響き、瓦礫の下に埋まった人、人、人は互いに互いを認識することなくそのまま一生を終える、やがて声は消え去り、身体から放出された言霊が辺りを浮遊する、行方は知れず、永遠に彷徨するだろう、怖いものなど何もない、わたしたちは永遠に懺悔の日々を繰り返すことになるが現世で滅びた歴史などほんの瞬間的なものでしかなく果てしなく循環する世代交代は今に始まり背中を丸ごと食われる羽目になるそれまで笑い転げていれば良いある人により憎しみを知りある人により愛情を知りある人により恐れを知る極めて個人的なものに過ぎなくともそれらが歴史を絶えずつくっていく物語はありとあらゆるところに溢れているそこに優劣などなく善悪などなくただ事実そのものがある、瞬間、瞬間のそれぞれの事実が垂直にただ浮遊している、事実は時の経過と共にやがて人、人、人の共通した記憶から薄れていき、そのうち死そのものが見えてくる、個人的な死あるいは集団的な死、果ては人間そのものの死である、一瞬で味わうあなただけのもの悲しさをあなただけの執念をあなただけの欲望を階層化された記憶の渦の中で、下らないすべて下らないときっと思うが、変えることなど原理的に不可能であるから仕方ない、世の末は時の始まりと同時に見えている、夢で見た、色は全くなかった、帰り道、足元だけを見て、家に帰る、台所、濡れた床、人に会えばお辞儀をする、儀式、すべてがままごと分かりきっている、抽象化された平和、大声で怒鳴る大人たち、暴力はあらゆるところに蔓延り欺瞞だらけで、それに気付くことなくごく普通に足並みを揃える、激しい音を立てて頭も顔面も歪む、まっすぐ帰ろう、何も考えずにあるべきところにまっすぐ帰ろう

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