2014年3月1日土曜日

不完全存在のテキスト2 





不時着した空からの残骸は解読不能な暗号で埋め尽くされていて頭を悩ませた。興味をそそられるのであるが、如何せん、それが何者であるのか、それはどのような意図をもってつくられたのか、不明であり不可解であり寝る間も惜しんで私は一刻も早く解明を試みたが出口は見当たる気配すらなかった。ある晩、風呂に入ろうと思い、ふらっと外に出ると、番台にてその暗号と酷似した桶を老婆から手渡され、足場は流氷と共に溶け流されていく実感と共に私は旅に出るのであった。ミキシングされた器官は私の干渉を遮るように独りでに楽曲を奏ではじめ、時空間のおおよその領域は3度頭を叩きつけられたが如く、浸透された目は暫し苦悩を忘れ、休まるときもなく、働くときもなく、不明瞭ではあるが心地のいい調べにそのまま身を任せてみようと思った。口の中で反芻された私の言語はコントロール不能で何かを伝えようとしても、闇雲に着地点は見えず、不可逆的な時間は雲を掴むように目の前を通り過ぎる、誰だ?一体誰なんだ?結局何も分からぬまま暗号にとり憑かれてしまった私は天地の概念すら吹っ飛ばされて、台風の目の中で呼吸している鳥のように、水呑み場すら確保出来ぬまま、次第に欲すらもかき消され、植物状態と化し、思考の波だけが停止する兆しも見えない。

「惚けるなよ、自惚れるなよ、どうして君らはある分野で 社会に 貢献していると言えるのだろうか?私から見れば全く不完全に見える君たちは どういうわけか 誇りを持って まるで役にも立たない事柄に夢中になり 誇りを持ち 屍に疑問を持つことすらなく ただ壊れていく様を 観客のように見つめることしか出来ない 君らがいなくても またいなくなっても それは傷をもつことなく 変わらず動き回ることは歴然の事実であるし 何の為に 意味はあるのか?と叫び 何百という目から監視される 恐怖に気付くことなく漂流している。」

漂流している?愕然とした私は己の首をどうにか絞めようと指令を命じたが、首から下はどこにも存在しなかった。きっかけさえ与えれば記憶喪失になるどいつも変わらず同価値で記憶喪失になる。

0 件のコメント: